今に始まったことではありませんが、
労働力の移動が顕著になっております。
求人倍率は、その数字がすべてではありませんが、
確実に労働力の移動が起こっていることを物語っております。

今でこそ悪いことのように言われておりますが、
過剰とも思われる地方の公共工事は利益の再分配をしていたものと思われます。
少なくとも都市と地方の間には法人税収の性質が違いますし、
近隣の市場規模や競争、資金調達の方法などにも差があるため、
法人が収益を上げる力にも差が出てきます。

地方では一定以上の規模の法人は出来にくいです。
信金と郵便局しか無いような町では資金調達や資金繰りに限界があり、
金融機関の身の丈にあった規模の企業にしかなれないわけです。
また、近隣の市場規模も小さく、
商売をする上でのインフラ(輸送体系等)も不利であるため、
運良くそれなりの規模になることが出来れば、
都市部へ出先を出したり、本店移動したりするわけです。

また最近では交通網の整備が十分に進み、
都市部の企業が地方へ収益を求めてきています。
例えば、以前は小売店などは地場に密着した店ばかりでしたが、
私の住む北海道では車で30分くらいなら商圏とばかり、
続々と大型小売店が出店しています。
もともとの企業体力が違うため、
地元の小売店は壊滅的なダメージを被るわけです。

ですから、私が自分の町で買い物をしても、
私の払う消費税は私の住む町には入らず、
そこで得られた利益も、
私の住む町に法人税としては入らないということもあるんです。

地場の産業基盤が弱いですが、
そこにいる人そっくり引っ越せというわけにもいかないでしょう。
どんな風に言われても田舎暮らしには田舎暮らしのよさもあるんです。

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